ドラマ『愛と、利と』アン・スヨンが「曖昧な関係」を拒絶した理由
JTBCドラマ『愛と、利と』は、銀行という閉鎖的な組織内に存在する目に見えない階級と、その境界に立つ登場人物たちの危うい関係を描いている。

JTBCドラマ『愛と、利と』では、銀行内の職種による階級差が描かれる中、アルバイト出身のアン・スヨンがハ・サンスに対し「曖昧な関係は嫌だ」と突き放す場面がある。サンスが約束の時間に1時間遅れて到着したことや、同僚たちがスヨンを追及した際に傍観者となったことが、二人の間に引かれた境界線となった。
同じ空間で働きながらも、互いに異なる世界に生きているという感覚は、時に愛よりも鋭い境界線を生む。JTBCドラマ『愛と、利と』の序盤の物語は、銀行という閉鎖的な組織内に存在する目に見えない階級と、その階級の境界に立つ登場人物たちの危うい関係を照らし出している。
「私たちは差別する」…銀行内に存在する目に見えない階級制度
ドラマの舞台となるヨンポ支店は、毎日300人以上の顧客が訪れる活気ある空間だが、その内部を流れる空気は冷ややかだ。ここの階級は、お金だけでなく職種によっても分けられている。青い帯を締めた公募職と、黄色い帯を締めた非公募職の間には、明確な差別が存在する。

アン・スヨンは銀行のアルバイト出身で、職種転換を夢見ているものの、依然として組織の主流には組み込まれず浮いている人物だ。彼女は努力した分だけ認められたいと考え職種転換を申請するが、組織は高卒か大卒かという背景を根拠に、彼女の能力を完全には受け入れない。「高卒か大卒かで同じなら、狂ったように4年間も高い学費を払って大学に通うわけがない」という冷笑的な視線は、この組織が維持する強固な境界線を示している。スヨンは結局、傷つかないために自らその線の外側に立つことを決意し、組織のルールに従う道を選ぶ。
すれ違うタイミングと「曖昧な関係」を拒絶した選択
スヨンとハ・サンスの関係は、この階級の壁と絡み合い、さらに複雑に絡まっていく。サンスはスヨンに好意を抱いてデートを申し込み、関係の進展を期待するが、二人の出会いはことごとくすれ違う。サンスの業務上のミスや突然の音信不通はスヨンに失望を与え、これは単なる個人的な不満を超えて、関係の信頼を崩すきっかけとなる。特に、締め作業のミスにより約束の時間より1時間も遅れて到着したサンスの姿は、スヨンに大きな失望をもたらした。
スヨンはサンスに対し「曖昧な関係は嫌だ」と述べ、確かな関係を要求する。しかし、サンスが約束を守れなかった日の後、スヨンは彼に対してより冷たく線を引く。スヨンがサンスを突き放したのは、単に約束の問題だけではなかった。彼女は、サンスが他の男性社員たちと同様に、自分を「傍観者」の視線で見ているという事実を直感する。同僚たちがスヨンとチョン・チョンギョンの関係を巡って魔女狩りのような聴聞会を開いた際、サンスは彼女を守ることができず傍観した。スヨンにとってサンスの態度は、自分を守ってくれる特別な存在ではなく、組織の論理に従い適度な距離を保つ、もう一人の構成員に過ぎなかった。スヨンはサンスに対し「一人だけ違う人のふりをしているのが、もっとイライラする」と語り、彼が他の人たちと変わらない振る舞いをしたことを指摘した。
平凡ささえも差別される世界、その間の距離
二人の関係が進展しにくい根本的な理由は、それぞれが属する人生の軌跡が異なる点にある。サンスは自分を平凡な家庭の出身だと言うが、彼が属する社会的なネットワークにおいて「平凡さ」の基準は異なる。江南出身の友人たちがビルを建て、資産規模を論じる世界において、サンスの背景は決して彼らと同じ線上には置けない。サンスは自身の人生を歩んでいるだけだが、彼が属する環境はすでに強固な階級を形成している。
スヨンも同様だ。彼女は自分の未来のために勉強し努力するが、現実の壁は彼女を絶えず「線の外側」へと押し出す。サンスがスヨンに感じるときめきや好意は、結局、組織内の階級と個人の背景という巨大な壁を前にして力を失う。互いへの想いが確認される瞬間であっても、彼らが立っている現実の格差は、二人の間の距離を縮めるどころか、むしろより鮮明に浮き彫りにする装置として作用する。
新しい人物の登場と揺らぐ関係の軸
このような緊張状態の中で、新しい人物であるチャン・ミギョンがヨンポ支店に登場し、関係の構図は再び変化する。チャン・ミギョンは本社のPT業務を遂行し、スヨンが切望していた公募職の業務を担うことになる。これはスヨンが手がけられなかった領域を象徴しており、組織内の線が再び登場人物たちの間で機能していることを示している。サンスはスヨンへの想いを抱いたままチョン・チョンギョンと三角関係を形成し、それぞれ異なる階級と背景を持つ人物たちが絡み合うことで発生する葛藤が、ドラマの核心的な動力として作用する。
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