LG、AIデータセンター構築期間を50%短縮する統合型ソリューションを提示
LGグループは、冷却、電力、IT、運用を統合した「AIデータセンター(AIDC)統合ソリューション」を掲げ、グローバル市場への攻勢を強めている。
LGグループは、9月にシンガポールで開催された「DCWA 2026」にて、冷却や電力などを一括提供するAIデータセンター統合ソリューションを発表した。プレハブ方式の採用により、従来は36ヶ月以上を要した構築期間を約50%短縮できるとしている。
AIモデルの規模が拡大する中、それを支えるインフラの重要性がかつてないほど高まっている。インフラ設計の遅れが技術の陳腐化を招くほど、市場のスピードが速いためだ。こうした流れを受け、LGグループは冷却、電力、IT、運用を一つにまとめた「AIデータセンター(AIDC)統合ソリューション」を前面に押し出し、グローバル市場の攻略を加速させている。
今年9月にシンガポールで開催された「DCWA 2026」でLGグループが示した戦略の核心は、「統合」と「速度」だ。近年のグローバルAIインフラ市場は、チップの供給不足も相まって、インフラをいかに迅速に確保するかという「タイム・トゥ・マーケット(Time to Market)」の争いへと変貌している。LGはこれに対処するため、個別の製品供給にとどまらず、一つの契約ですべてのソリューションを提供する「ワン・コンタクト、ワン・コントラクト」モデルを提示した。これは、内装業者に壁紙から床工事までを一括して依頼するような概念である。
工場製作型の「プレハブ」により構築期間を50%削減
LGが提示する速度戦の切り札は、「プレハブ(Prefabricated)スタイルのモジュラーデータセンター」だ。従来のハイパースケールデータセンターの構築には、通常36ヶ月以上の長い時間を要する。一方、主要設備を工場でコンテナやモジュール形式で事前に製作し、現場で組み立てるプレハブ方式を採用すれば、構築期間を従来比で約50%まで短縮できるという。
グローバルな顧客は、こうしたモジュラー方式の効率性に注目している。現場では、AIサーバーの高出力特性によって発生する瞬間的な電力ピーク(ロードスパイク)の制御が大きな課題となっている。単一のバッテリーシステム(BBU)だけでは解決が難しいため、電力と冷却システムが有機的に連結された統合ソリューションへの需要が高まっている。LGは、40年間にわたり500MW(メガワット)以上の電力を無事故で運用してきたノウハウを基に、AIを活用してシステムを最適化する技術を披露した。
「テレビ企業だと思っていた」…グローバル顧客が認める「隠れた実力者」
かつてLGのデータセンター市場への参入は、市場から馴染みの薄いものとして受け止められることもあった。現場で出会ったグローバル顧客からは、最初にLGの名を聞いた際「テレビブランドとして親しみがあったので驚いた」あるいは「製品ラインナップがこれほど印象的なものだとは知らなかった」といった反応も聞かれた。市場ではLGを「新人」と見る向きもあったが、冷却から電力、ITモニタリングまでを網羅する完成度の高いラインナップを確認した後には、「隠れた実力者」のようなプレーヤーであるとの評価が形成されている。
こうした市場の信頼は、グローバル・ビッグテック企業であるNVIDIAとの協力によって裏付けられている。NVIDIAは極めて厳格な性能テストを要求することで知られているが、LGの冷却ソリューション(CDUなど)がNVIDIAエコシステムの認証を受けることで、その技術力が証明された。NVIDIAが描くAIデータセンターの設計図を、LGの多様なソリューションが実物として具現化していく構造となっている。
インドネシアの竣工開始を皮切りに、アジア最大のインフラプロバイダーを目指す
LGの視線は今、アジア全域へと向いている。インドネシアを皮切りに、マレーシア、タイ、日本などでの海外事業開発が進められている。特に今年10月に竣工予定のインドネシアのデータセンターは、韓国企業として初の海外専用データセンターという意義を持つ。
LGの最終目標は、単なるインフラ構築にとどまらない。データセンター・インフラの上にITインフラを載せ、その上にさらに多様なAIサービスを実現する「AIファクトリー(AI Factory)サービス」のレイヤーを完成させることだ。これにより、短期間でアジア最大のAIインフラプロバイダーへと飛躍する構想を描いている。
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