最難問30番を解いたのは有料版Claudeだけ AI眼鏡の不正、入試から国家試験へ
約100万ウォンのAI眼鏡を使った実験で、高2の9月模試の最難問は有料版Claudeだけが正解した。大学入試ではAI眼鏡による不正の摘発が相次ぎ、教育当局は対策を急いでいる。
約100万ウォンの高性能AI眼鏡を使った実験で、高2の9月模試の最難問「30番」を正解したのは有料版のClaudeだけだった。大学入試の現場ではAI眼鏡を使った不正が相次いで摘発され、教育界に非常事態が広がっている。
眼鏡を軽く叩くだけ、3秒で答えが表示される
アンダースタンディング:世界のあらゆる知識が伝えた取材によると、ペク・ジョンフン記者が自ら借りて試したのは、中国のROKID社製の高性能AI眼鏡だ。価格は約100万ウォンで、スマートフォンと連動してGoogleのGemini、OpenAIのChatGPTをすぐに使える。ペク記者は高2の9月模試の問題で実験した。眼鏡の側面を軽く触れる短縮コマンドを設定すると、音声で命令しなくても眼鏡が正面の問題を認識し、解法と正解を画面に表示した。「解説は省いて正解だけを教えてほしい」という条件を事前に設定すると、高難度の問題を除く大半が、わずか3秒で解けた。使用者は眼鏡をかけたまま問題を解いているように見せられるため、そばで見ている試験監督が不正に気づくのは極めて難しい構造だという。
こうした機能には、設計段階から悪用の可能性を想定していたのではないかとの疑念も生じる。通常のAI機器は音声やタッチでその都度命令を出す必要があるが、高性能グラスは詳細な指示をあらかじめ登録し、ショートカットで実行できるからだ。たとえば「周囲の騒音は無視し、正面に見える問題を必ず解け」といった具体的な指示を設定しておけば、使用者は眼鏡を軽く叩く動作だけですべてを実行できる。試験場で目立つ動作を最小限に抑えながら、すぐに答えを確認できるわけだ。
AIモデルの性能差が生む新たな不平等
実験では、使うAIモデルの性能によって正答率に明確な差が出た。最も難しい「30番」の最難問では、無料版のGeminiが誤答を出した。有料版のGeminiとChatGPTも正解できなかったが、有料版のClaudeは正解した。この問題は解法だけで2ページに及ぶ超高難度の問題として知られる。問題は、こうした技術格差が試験の公平性を根底から揺るがす点にある。高価な高性能AI眼鏡を購入し、有料のAIモデルを契約できる経済力のある受験生が不正に使えば、試験結果が実力ではなく「技術力と資本力」で決まる恐れが大きい。
入試から資格試験へ広がる被害
今年10月には、ソウル市立大学校と延世大学校でそれぞれAI眼鏡を使った不正が発生した。延世大学校では10日の大学入学試験で不正が摘発され、ソウル市立大学校の事例は10月3日にすでに起きていたことが後から分かった。さらに、最近の随時募集の論述試験を前に、一部の受験生が問題集を事前に購入してAI眼鏡が作動するかを確かめてから試験場に入っているとの情況まで報じられ、懸念が強まっている。今年上半期からはTOEICや電気産業技師など各種の資格試験でもスマートグラスを使った不正が見つかっており、脅威は入試だけでなく国家公認試験全般に広がりつつある。まともな仕様のスマートグラスが普及し始めた今年から、こうした懸念が現実になっているという。
電波探知機の導入を検討、修能を控えた当局の課題
ただ、対策の実効性には疑問が残る。電波探知機などの物理的な装備を、11月19日の修能までにすべての試験場へ完全に配備・準備するには時間が差し迫っているためだ。高性能AI眼鏡は外見上、普通の眼鏡とほとんど区別できず、目視の検査だけでは限界がはっきりしている。低価格品ではカメラの穴が目立つこともあるが、高性能品はよく観察しなければ見分けにくい。教育当局は修能を控えて試験監督の教育を強化し、毎時限の開始前に眼鏡の着用有無を検査する方策を進めている。不正機器を探知するための電波探知機の導入も検討されている。
AI眼鏡は、英語の原書をリアルタイムで翻訳したり、観光地の情報を案内したり、演説の際に画面に原稿を表示する「プロンプター」として使われたりするなど、技術的な利便性が非常に高い。一方で、相手の同意のない撮影や企業の機密漏えいといったプライバシーやセキュリティーの問題も、新たなリスクとして浮上している。技術の便利さがもたらした革新が、試験の公平性という社会的価値と衝突するなか、制度による対応と技術による防御の激しい攻防が予想されている。
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