元マネージャーが説く、損失を最小限に抑えるための売却原則
35年のキャリアを持つ元ファンドマネージャーのパク・ジェフン氏は、投資市場の変動に直面する個人投資家に対し、徹底した原則遵守の重要性を説いた。
35年のキャリアを持つ元ファンドマネージャーのパク・ジェフン氏は、投資における失敗を防ぐため、損切りラインを厳格に守る重要性を強調した。同氏は、売却後に銘柄が上昇しても関心を断つ「残酷さ」や、市場の恐怖が極限に達した時を買い時とする戦略を提言している。
投資市場の変動性が高まるほど、個人投資家は心理的な揺れに直面する。株価が下落すると損切りラインを先延ばしにし、結局は底値で投げ出す「降伏(Capitulation)」状態に陥ることが多い。35年のキャリアを持つ元ファンドマネージャーのパク・ジェフン氏は、こうしたミスを防ぐための核心として「徹底した原則遵守」を挙げた。
「損切りラインを先延ばしにすれば、結局は降伏することになる」…心理を制御する売却原則
パク・ジェフン氏は、投資哲学の核心を「より少なく壊れること」と定義した。損失を最小限に抑えるため、ポートフォリオ全体の損失限度をあらかじめ設定し、それを厳格に守ると明かした。多くの投資家は損切りラインを決めていても、いざ株価がその水準に達すると、恐怖や不確実性から支持線を後ろにずらす傾向があるが、これは結局より大きな損失を招き、市場を去る「降伏」段階へと突き進ませることになると警告した。
同氏は売却においては「残酷さ」が必要だと強調した。特定の銘柄を売却した後は、その銘柄がさらに上昇したとしても少なくとも一週間は目を通さず、いっそ関心銘柄から削除してしまう手法を取るという。これは売却後に株価が上昇した際に感じる疎外感、すなわちFOMO·Fear Of Missing Out現象によって、再び高値で参入してしまうミスを繰り返さないための措置だ。パク氏は「自分が守った原則を自ら壊すことは、敗北への近道である」とし、他人が壊そうとも本人が原則を破った瞬間に失敗につながると強調した。
「恐怖が集中する時こそが買い時」…流動性FOMOへの警戒
パク氏は「何を買うべきか」という問いに対し、「無条件に安い時に買うこと」と答えた。市場の恐怖が極限に達する時点を待つべきだと助言した。過去のトランプ政権による関税戦争の宣言時や中東戦争の勃発など、巨大な恐怖が市場を席巻し人々が市場を去る時こそが、むしろ株価の底であったという経験的な根拠を示した。同氏は「恐怖を待つことが投資のタイミングを掴む核心である」と付け加えた。
逆に、市場が過熱する際に現れる「流動性FOMO」現象については警戒感を示した。市場が上昇傾向に入ると、金融界で信用限度額を引き上げる現象が現れるが、これは大衆の投資心理が高揚していることを知らせる信号だという。パク氏は実際に、去る6月にカード会社から限度額増額の連絡を受けた事例に触れ、「正確に6月にカード限度額が増えたという連絡を受けたが、過ぎてみればそれが正解だった」と説明した。こうした流動性供給が行われる区間に注意すべきだと強調した。
また、同氏はFOMO現象と、FOMOの反対概念(と思われる状況)を区別し、FOMOのせいで参入するのではなく、反対の現象のせいで退出してはならないと促した。周囲から「株をやらないのが正解だ」という話が重みを増す局面において、軽率に動かないことが重要だという意味である。
「終値で売買せよ」…個人投資家のための実践的ヒント
個人投資家が経験する売買の疲労度を軽減するための実践的な助言も続いた。パク氏は、ファンド運用時に後輩マネージャーたちに強調する原則とともに、個人投資家には「終値売買」を勧めた。ファンドマネージャーは通常、資金が入ると一週間以内に分割買いを進めるが、その際、場中に買った価格より終値が低くなったり、売却した価格より高く終わったりする場合に発生する評価損によって心理的な苦痛を経験するためだ。同氏は後輩に対し、「場中に4分の1から4分の3程度は分割売却を行い、残りは終値で売却せよ」と助言していると明かした。
続いて個人投資家に対しては、「規模が大きくない場合は、あえて頭を悩ませて分割買いをするよりも、買うと決めたならその日の終値ですべて買う方が心理的に楽であり、相場に同調することにも有利だ」と述べた。終値で売買すれば、基本的には相場と同じようにスタートする効果があり、心が落ち着くという説明だ。
最後にパク氏は、50代以降の退職を控えた世代に向けた「バーベル戦略」の必要性に言及した。バーベル戦略とは、重量挙げのバーベルのように、ポートフォリオを「安定バケット(Stability Bucket)」と「成長バケット(Growth Bucket)」という二つの軸に分けてバランスを取ることだ。同氏は「50代からは、ひとたびミスをすれば回復できる時間がないため、退職後に備えて資産増殖システムをこのような観点へと転換すべきだ」と助言した。
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