NVIDIA、最大5000億ドル規模のAI金融プラットフォーム構築へ GPU担保融資の価値に慎重論
NVIDIAはBlackRockやGoldman Sachsなどグローバル金融機関6社と提携し、最大5000億ドル規模のAIインフラ金融プラットフォームの構築を目指す。AIデータセンター建設に向けたGPU購入資金を支援する「Compute Financing」が柱となるが、GPUの将来価値を巡り金融業界では慎重な検証が進められている。
NVIDIAは、BlackRock、Goldman Sachsなどグローバル金融機関6社と手を組み、最大5000億ドル(約675兆ウォン)規模のAIインフラ金融プラットフォームの構築に乗り出す。その核心は、AIデータセンターを建設しようとする企業に対し、GPUの購入資金を支援する「Compute Financing」だ。特に、GPU自体を担保に資金を貸し出す「GPU担保融資」方式が新たな金融市場を切り拓くと期待される一方、金融界ではGPUの将来価値を巡り、慎重な検証手続きが行われる見通しだ。
「旧世代GPUでも収益化が可能」NVIDIAの自信とCoreWeaveの事例
GPU担保融資は、全く新しい概念ではない。すでに市場には、GPUを大量に保有する企業がそれを担保に資金を調達する事例が存在する。その代表格が「ネオクラウド(Neo-cloud)」と呼ばれるCoreWeaveだ。CoreWeaveは暗号資産マイニング用GPUを保有していた経験を活かし、AI演算特化型のクラウド事業へと転換した。同社は2023年8月、NVIDIA H100を担保にブラックストーンやMagnetar Capitalなどから23億ドル(約3兆ウォン)規模の融資を受けた。
NVIDIAは、GPUの長期的な収益創出能力に対して強い自信を見せている。最先端のAIモデルを学習させる際には最新のGPUが不可欠だが、学習済みモデルをサービスに適用する「推論」や、特定の目的に合わせてモデルを修正する「ファインチューニング(Fine-tuning)」の段階では、旧世代のGPUも十分に活用可能だという論理だ。NVIDIAは、ソフトウェアである「CUDA」を継続的に改善することで旧型機器の効率を高め、機器の経済的な寿命を延ばすことができると説明している。
実際にCoreWeaveがSECに提出した資料によると、ある特定の科学研究企業は、2020年に発売されたA100ベースの演算サービスを2029年まで利用することで契約を延長した。GPU価値評価企業のVーカーも、特定のモデル(GB200 NVL72)の経済的寿命を9〜10年と推定しており、この期間を通じて十分な収益創出が可能であると予測している。
金融界の核心的な問い「収益は債務返済に十分か」
しかし、金融機関の見方は冷ややかだ。NVIDIAがGPUの活用性を強調したとしても、金融会社は個別の融資の健全性を別途審査しなければならないからだ。金融界が投げかける問いは明確である。第一に、GPUで得られる収益で融資の元利金を返済できるか。第二に、もし返済が不可能になった場合、担保であるGPUを売却して融資額を回収できるか、という点だ。
単にGPUを長く使えるという事実だけでは不十分である。GPUの運用には莫大な電気代などの維持費が発生するため、売上からこれを除いた上で、実際の返済能力が残るかを見極める必要がある。そのため、金融会社はGPUの物理的な寿命よりも、顧客企業との契約条件に注目する。CoreWeaveが今年3月に締結した85億ドル規模の融資契約では、GPU自体だけでなく、顧客であるMetaと結んだ「確定代金支払」契約が核心的な根拠として用いられた。Metaが演算容量を少なく使用したとしても、定められた金額を支払うという契約構造のおかげで、金融会社は予測可能な収益を確保することができた。
結局のところ、金融市場はGPUの性能だけでなく、そのGPUを使用する顧客が誰であるか、そしてその契約がいかに強固であるかを通じて、融資の安全性を判断している。
不確実な中古価格と「金融工学の未来」の間の乖離
さらなる変数は、GPUの「残存価値」だ。機器を売却して融資額を回収しなければならない状況において、数年後にGPUがいくらで取引されるかは誰にも断言できない。航空機や船舶のような既存の設備とは異なり、GPUは技術進歩の速度が極めて速いため、将来の中古価格を予測するための歴史的なデータが不足しているからだ。これに伴い、金融会社は保守的な態度を維持している。
格付け会社のS&Pグローバル・レーティングスのアンドリュー・チャンは、GPUが5年以上使用される点は認めつつも、チップの価値は非常に保守的に評価すべきだと指摘した。資産運用会社Impaxのトニー・トルジンカも、金融会社が通常は3〜4年という短い減価償却期間を基準に融資を審査すると説明した。機器がさらに使用可能であっても、金融会社は損失リスクを減らすため、価値を素早く低めに設定して融資限度額を制限したり、別途保証を要求したりする手法を取る。
こうした不確実性を解消するための多様な金融手法も議論されている。ネオクラウド企業が倒産した場合に備え、GPU処分による損失を補填する「保険構造」が検討されているほか、Goldman SachsはGPU担保融資から発生する債権を流動化し、他の投資家に販売する案を検討している。BlackRockのラリー・フィンクCEOが今回の構想を1970年代の住宅抵当証券(MBS)市場の誕生に例え、「金融工学の未来」と評価しただけに、GPUが単なる半導体を超えて巨大な金融資産として定着できるかは、今後のGPUの残存価値の証明にかかっている。
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